直線上に配置

SPring-8施設ビームラインと実験申請

 2009年4月現在、SPring-8には50強のビームラインがあるが、このうち応力測定が可能なビームラインは表1に示す9つである。このうち、日本原子力機構専用ビームラインについては、同機構で実施している施設共用課題に申請する必要があり、その方法については以下のウェブを参照していただきたい。
 
 http://www.sozo-no.jp/jaea-test/message.html
 
 ここではSPring-8における一般共用課題、重点産業利用課題等の申請手順について説明する。なお、一般共用課題申請は年2回(6月、11月締切)、重点産業利用課題は年4回(3月、6月、10月、11月)課題申請がある。詳細に関しては、SPring-8のホームページ
 
 http://www.spring8.or.jp
 
を参照していただきたい。
 SPring-8において実験する場合には、
 
 1.実験責任者
 2.共同実験者
 
に分かれる。前者は課題申請から実験報告書まですべての作業を行う者であり、後者は1.の実験を支援するものである。
 図1にSPring-8における課題申請から終了までのフローチャートを示す。図中の作業はすべて以下のウェブサイトより実施する。
 
 http://user.spring8.or.jp
 
 このうち2.共同実験者は、@、A、E、Gを実施するのみでよい。
 以下、フローチャートに従い詳細を説明する。
 
@ユーザー登録(適時)
 SPring-8に課題申請をする者、および実験する者が行う作業である。本登録によりユーザー番号を得ることができ、A以降の作業が可能となる。ただし、過去に一度でもユーザー登録をしたものは行う必要はない。

Aログイン
 SPring-8に課題申請のみならず、書類の提出など必要な作業を実施する際に行う作業である。@の作業後、一定の期間を経た後可能となり、ユーザーカード番号、およびパスワードを入力することでログインできる。

B課題申請(申請締め切り前)
 A後のトップページ中の“課題申請/利用計画書”→“課題申請/利用計画書作成”を開くことにより作業が可能となる。ただし、いきなり本ページに入力するのではなく、事前に下書きをすることをお薦めする。下書き用のファイルは、同ページの“下書きファイルのダウンロード”より申請するタイプのファイルを使用する。
 “課題申請/利用計画書作成”を開いたら“新規”欄の“NEW”をクリックする。

C成果形態/課題種選択
 成果を専有するかしないかを選択する。成果専有の場合には、課題申請も非常に簡略し、審査もなく、報告書の義務はないがビーム使用料が1シフト(8時間)あたり約500,000円必要となる。一方、成果を専有しない場合には、前述をすべて行う必要があるが、ビーム使用料はない。ただし、どちらについても1シフト当たり10500円の消耗品費がかかる。
 課題種選択は、申請する研究がどの課題に属するかで変わるが、一般的には“一般課題”、“重点産業利用課題”、“重点ナノテクノロジー支援課題”、“ナノネット支援課題”の4tunoいずれかに属する。成果形態を選択後、適当な課題横の“START”をクリックすることでDに進む。

D申請内容入力/提出
 ここで、“下書き”で作成したファイルを入力することになる。一度提出してしまうと修正が聞かないので、途中まで入力し、“一時保存”することも可能である。

○課題審査/採択
 申請締切終了後2ヶ月程度の間にレフリーによる審査が行われ、課題採択/不採択が決定し、結果はSPring-8利用業務部より連絡が届く。
 その後、ビームライン担当者と相談の上マシンタイムを決定する。

E放射線従事者登録申請書(年度初回来所の10日前)
 SPring-8で実験するためにもっとも必要な書類である。本書類には被爆歴や1年以内の放射線に関する教育訓練、および電離放射線健康診断をすべて終了していることが前提となる。よってSPring-8で実験を計画している者は課題申請とは切り離して行っておくことを薦める。

F利用申請書など(毎回来所の10日前)
 具体的には、“利用申請書”、“試料および薬品等持込申請書”、“物品持ち込み届”の3種類がこれに付随する。“利用申請書”は、参加する者についてSPring-8で使用するカード類の受取/返却日時および研究交流施設(宿泊施設)の利用日を登録するためのものであり、“試料および薬品等持込申請書”、“物品持ち込み届”はSPring-8へ持ち込むものを登録するものである。

G実験

Hビームタイム利用報告書
 実験終了後、ウェブサイトに本実験内容を簡潔に入力する

I利用報告書
 実験終了後60日以内にウェブサイトで提出する。Hよりもしっかりしたものを作成し、ウェブサイト入力する。

J論文発表等登録
 SPring-8は研究者による成果で成り立っている。ゆえに、どのような形であろうと成果を公開した場合には、同ウェブサイトに登録していただきたい。


表1 SPring-8における応力測定可能ビームライン

ビームライン 単/白色 光源 エネルギー範囲 集光系 装置
BL02B1 単色 偏向電磁石 5 - 115 keV サジタル
、ミラー
縦振4軸回折計
BL04B2 単色 偏向電磁石 37.8、61.7
、113.3 keV
なし 横振2軸回折計
、IP
BL09XU 単色 アンジュレータ 6.2 - 100 keV なし 縦振4軸回折計
BL13XU 単色 アンジュレータ 7 - 32 keV ミラー
、レンズ
縦振4軸回折計
BL14B1*1 白色 偏向電磁石 50 - 150 keV なし 高圧プレス装置
BL19B2*2 単色 偏向電磁石 5 - 72 keV ミラー 縦横振8軸回折計
BL22XU*1 単色 アンジュレータ 3 - 70 keV ミラー
、レンズ
横振4軸回折計
、IP
BL28B2 白色 偏向電磁石 50 - 150 keV なし 縦横振8軸回折計
BL46XU*2 単色 アンジュレータ 5 - 72 keV ゾーンプレート 縦横振8軸回折計
*1:日本原子力研究開発機構専用ビームライン
*2:産業利用専用ビームライン



図1 SPring-8における実験の流れ

トップ アイコントップページへもどる
直線上に配置